交通事故やその他の事故
骨折・外傷
交通事故や、高いところから飛び降りたり、小型犬などでは、大型犬にかまれた、などの外傷で骨折するケースは大変多いです。
診断は、レントゲン検査やCT−Scanなどで行います。
基本的に動物では、人のようにギブスでの管理が難しいため、手術で固定する事などが一般的です。
但し、外傷の場合は往々にして肺や心臓なども損傷を受けている事も多い為、受傷後72時間は安静と急変がないかモニターし、それまではギブスで固定しておいて、その後手術を行なう事も多くあります。
退院後は、ご自宅でのケアーと、安静・食事療法をして頂き、1ヶ月おきに病院でレントゲン検診を行い、上手く治癒しているか診ていきます。そして、一般的には3ヶ月から6ヶ月程度で完治します。
肺挫傷
交通事故や高所からの転落事故などでは、胸部を強打し、肺から出血や炎症を起こす事があります。
血液や滲出液などが肺胞内に満たされると、肺胞内に十分の酸素が入らず、二酸化炭素の交換ができず、換気不全を起こします。
この状態は、一般的に受傷後、24時間から72時間の間に起こってきますので、レントゲンでのチェックをし、酸素療法を行ないます。
呼吸状態の悪化がないか観察が必要になりますので、24時間の集中治療室での看護が必要になります。
突刺性外傷
鋭利な刃物などで起こります。奥深くまで進入してしまうと、出血も多くなり、また、筋肉なども切れてしまいます。
予測できない状況になるため、手術でその部分を十分探査する必要があります。
もしそのような状況になったら、出血を止める為にタオルなどで心臓の近い部位を圧迫してすぐ病院にお連れ下さい。
咬傷
犬同士や猫同士、時には違う種間での喧嘩で起こります。
どの種類でも犬歯は長く、細い為、かなり深くまで、実際皮膚の傷口以上に穿孔している事が多いのです。また、大きい犬などが小さい動物を噛んで、振りまわしたりすると、更に深く穿孔し胸腔内や、腹腔内臓器にまで達する事や筋肉や腱の大きな断裂がおこる事がたびたびあります。
また、首などは気管、食道、神経まで達すると、命に関わる事もあります。散歩中にリードを使用していなかったり、他の動物に襲われたり、動物が外出・脱走してしまってその間に起こる事が多いのですが、厄介なのが、同居している仲間で起こる場合です。その場合は、行動学的な観点から治療が必要になってきます。往々にして、優位性などの順位に伴う争いが多いようですので、その治療も行います。
又、傷の治療は、その外傷部分の探査とドレーンという排泄管を留置して膿が貯まら無いようにする手術を行います。そして5日後にドレーンを抜管して、2週間ほどで抜糸を行います。その間は抗生物質の投薬を行い、傷口の消毒はご自宅でやって頂いております。この外傷を避けるには、散歩中のリード管理や動物を単独で外へ出さずにする事と、同居同士のトラブルには、十分な知識をもって対処しておく事です。